あすなこ白書

日本のドラマっておもしろい!

【2019秋ドラマ】初回感想①チート・シャーロック・まだ結婚できない男etc

新ドラマが始まる季節になりました。「ドラマは最初から見たほうが絶対おもしろい!!」を信条にしている私が、各ドラマの初回感想を足早に話します。あくまでも初回感想なので、途中から急激に面白くなったら各所でゴリ押ししますね。

放送終了後一週間までは、TVer(https://tver.jp/)などの各配信サイトで無料配信を行っているので、気になる作品はぜひチェックを!

 

『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』

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星野沙希(本田翼)は、詐欺師たちを逆に騙し返して悪事をぶった切るスペシャリスト集団「チート」の頭脳。「チート」とは、年々被害件数が増加する特殊詐欺をはじめ、様々な詐欺事件を撲滅するために警視庁捜査二課の刑事・安斎和毅(風間俊介)が創設した秘密の組織だった。(公式HPより抜粋)

 

初回満足度:★☆☆✰✰

 

記念すべき第1作目にもかかわらず、「よくわからなかった」という漠然とした気持ちだけが残った。投げやりなようにも聞こえるが、作品を見た感想で「よくわからなかった」は一番言いたくない。気を入れなおして2回見た。ちょっとイタイ作品なのはわかった。

 

 

詐欺師を題材にしたドラマといえば、フジテレビ『コンフィデンスマンJP』が人気を博し、NHK『詐欺の子』『サギデカ』が圧倒的なクオリティと凄まじいリアリティで視聴者を「ウッ…」と言わせた。どちらかと言うと、今作は『コンフィデンスマンJP』みたいにしたいのだと思う。ダー子達は騙して金をぶん取る側だが、チートはありとあらゆる手を使って詐欺師を懲らしめる側だ。

 

ラストでは、本田翼がことの種明かしをしてくれる。これら全ては詐欺師の皆さんを捕まえるための罠だったんですー!騙されていたのは詐欺師の皆さんの方だったんですー!!全ては繋がっていたんですー!!!と。確かに伏線らしいものは回収していたけれど、「あっあれがこうでそうだったんだー!」と、今まで取り組んでいたパズルのピースがピタッと完成する爽快感はまるでない。積み上げてきたものがひっくり返される驚きもない。な ぜ な の か。3回見ても核心をつけないことが歯がゆい。ただ、これだけはわかる。このドラマ…すごく日テレっぽい……。

 

 

 

 

『リカ』

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花山病院は、看護師補充の面接をしていた。終わり間近に、コツコツと靴音を響かせやってきた女、それがリカだった。28歳と本人が自称する年齢に違和感は抱いたものの、豊富な経験は申し分なく、日本医師協会前会長からの推薦状まで持参したリカに、大矢は思わず「あなたみたいな優秀な方が何故うちに」と尋ねると、リカは嬉しそうに「運命なんです」とつぶやく。(公式HPより抜粋)

 

初回満足度:★★☆✰✰

 

東海テレビはヤバイ人が大好きで、定期的にヤバイ人を主人公に置く。今回のヤバイ人の名前はもちろん“リカ”。好きな人と同じ病院に勤めるために推薦書を偽造し、煩わしい患者の呼吸器を勝手に外しては死亡させ、他部署に左遷しようとした婦長を躊躇いもなく階段から突き落とした。しかし、数々のドラマで数多のヤバイ女を見てきた人は思うだろう。ここまでは、他のヤバイ女もしてたじゃん……?

 

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※参考(東海テレビ出身の他のヤバイ女)

リカと他のヤバイ女の違う点は、愛する人と同じくらい"28歳"という年齢に執着していることだ。採用面接を皮切りに、リカは事あるごとに"28歳"を主張する。誰も聞いていないのに主張する。最初は怪しんでいた周りの人たちも、「年齢より落ち着いて見えるるし…」と言うようになってしまうのがリカの恐ろしいところだ。逆に「年齢より落ち着いて見えるよね」と言われたら、つまりはそういうことなのだと肝に銘じておきたい。

 

というわけで、リカがどんなにぶっ飛んだ行動を起こしても、「28歳です」By高岡早紀を超えるインパクトはなかった。土曜の夜、カオスな世界に足を踏み入れたい人はぜひ。正直に言うと、小池徹平が高級レストランで持っていた馬鹿でかいジョッキの方が本編より気になって仕方ない。

 

 

『Re:フォロワー』

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「依頼者の悩みを解決してくれる」という噂がSNS上で広まり、圧倒的フォロワー数を誇る巨大インフルエンサーになった「クレシダ」。リーダー的存在の池永一十三(西銘駿)を中心に、原田優作(塩野瑛久)と鯨岡友木(和田雅成)、城江公人(佐藤流司)ら4人のメンバーが運営している。だが、「クレシダ」の正体を知る者はいない。(公式より引用)

 

初回満足度:★✰✰✰✰

 

いわゆる“2.5次元俳優”が中心のドラマを、地上波でもよく見かけるようになった。今作も既に舞台化が決まっている。ドラマと舞台、両方で楽しめることが売りの一つらしい。ネタバレすると、母親は男子高校生を売春していて、息子(DK)はママ活をしていて、その姿を父親がTwitterで暴露するというのが第一話。文字に起こすとカオスだが、ドラマ自体は薄かった。俳優と既存ファンが地上波で盛り上がることが一番の狙いならば、これはこれでいいのかもしれない。

 

 

『シャーロック』

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誉獅子雄(ディーン・フジオカ)は頭脳明晰で容姿端麗な、犯罪捜査専門のコンサルタント。難事件の捜査を、警視庁捜査一課の警部・江藤礼二(佐々木蔵之介)から特別に依頼され、請け負っている。罪と悪に興味があり、謎解きは彼の生きがいでもある。だが、その性格は難ありで、一般の人が対等に渡り歩けることは、まずない。そんな獅子雄にとって、運命的な出会いを果たす事件が、いま幕を開ける。(公式HPより抜粋)

 

初回満足度:★★★☆☆ 

 

シャーロック・ホームズ』シリーズの舞台を現代の東京に移し、大胆にリメイク!ここまで変えてくるとフジ月9『コンフィデンスマンJP』以来5作目ぶりのオリジナル作品、といってもいいのでは?

 

ホームズシリーズは未読なので、あくまでもドラマ単品で。

キャラクター設定は良かった。どこか浮世離れした役のおディーン様は最強だし、岩ちゃんの役も意外としっくりくるし、佐々木蔵之介はさすがの安定感で、ちょいちょい笑わせてくる。今作を見ての一番の収穫は、“ディーン・フジオカ×岩田剛典=思っていたより悪くない”という解が得られたことだ。少しぶつかるんじゃないかと思っていたけど全くぶつからず、バディ感は出ていた。音楽も映像もオサレ。おディーン様の代表作『モンテ・クリスト伯』のパロディも多く、月曜の夜とは思えぬテンションで実況してしまった。

 

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モンテ・クリスト伯』元ネタ

 

いろんな意味で楽しませてはもらったが、肝心の推理ターンは今いっぽ…に感じた。あまり書き込まれていなかった『チート』に対し、『シャーロック』では初心者でもわかるようなTHE伏線を各シーンに散りばめ、一つ一つを丁寧に回収してくれる。けれど、その丁寧さが逆に間延びに繋がった気がするし、そもそも今回の事件だってあんなk「しゃらくせえ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

え?

 

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「しゃらくせえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

(※ネタバレになるので画像はイメージです)

 

そう。ああだこうだと考えたところに突如襲来するのが、松本まりかの怪演だ。もしあなたが折り返し地点あたりで「今回の月9は微妙だな…」と思ったとしても、その後に物凄い速度でやってくる松本まりかで胸に抱いた微妙な気持ちは秒で忘れてしまうだろう。つまり何が言いたいかというと、『シャーロック』の第一話は松本まりかだけで十分に楽しめる。…しかし残念ながら、松本まりかはゲスト出演だ。延長枠だったから間延びに感じたのか!?初回だからテンション高めにトンチキネタのオンパレードだったのか!?まりかがいなくても楽しめるのか!??作品の真価が問われるのは2週目以降になりそうだ。

 

 

『まだ結婚できない男

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 桑野信介(阿部寛)は腕のいい建築士。ルックスもさることながら収入も人並み以上だが、「メリットがない」という考えから結婚の経験はなく、さらに、偏屈で皮肉屋、プライドが高くこだわりも強いので、恋人を作ることもなく、気楽なシングルライフを送っていた。そんなある日、日課エゴサーチで、桑野を非難している“やっくんのブログ”の検索ランキングの順位が上がっていることに気がつき、桑野は怒りをあらわにしていた(公式HPから引用)

 

初回満足度:★★★★★


前作『結婚できない男』が放送されたのが2006年、私が前作を見終えたのが約一週間前のことだ。

 

 

そう、私は桑野に出会って一週間しか経っていない。なんなら先週会った、という感覚。けれどその私でさえ、その私でさえっ、13年経っても変わらない桑野信介の姿にグッときた。ああ桑野だ、53歳の桑野だ…と。もし私が前作をリアルタイムで見て桑野と同じように13年の月日を過ごしていたならば、感極まって膝から崩れ落ちるかもしれない。前作を見た人にとって、『まだ結婚できない男』は桑野との13年越しの再会の場だったのである。今作が桑野との初遭遇になった人も、初回を見ただけで桑野信介の生態は十二分におわかりいただけただろう。

 

 

桑野は相変わらず偏屈で不器用な生きものだ。さすがの夏美先生もそりゃあ愛想を尽かす。けれど"13年"の時は、確実に桑野へ変化を齎した。シンポジウムでのスピーチは、空白の13年間を埋める、桑野の集大成を感じた印象的なシーンだった。

結婚できない男』が扱うテーマは、時代が変わり、更にデリケートになった気がする。「人間100年時代」桑野信介と制作陣はどんな答えを出すのだろう。あーおもしろかった!

 

 

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というわけで2019秋ドラマ初回感想①でした!『チート』にだいぶ手こずってしまった。2回目以降の感想はTwitterにて!この後もぜひお付き合いくださいー