あすなこ白書

日本のドラマっておもしろい!

明日菜子的「このドラマがすごい!2020」

今年も一年お疲れ様でした!毎年更新頻度が落ちているブログですが、年間ベストだけはブログで書こうと決めている明日菜子です。

 

2020年に完走したドラマは91本!それに加え。単発ドラマ十数本、朝ドラ2本(『スカーレット』&『エール』)になります。1クールを超える朝ドラと大河ドラマはランキング対象外にしていますが、『スカーレット』がマイベスト朝ドラにランクインするほど好きな作品になりました。『麒麟がくる』もすごく楽しく見ています。今回もランキング作成ツールさんにお世話になりました。どうぞ今年もお付き合いください!

 

第10位『17.3 about a sex』(abema)

f:id:asunako_9:20201231143321p:plain

 

”17.3”この数字は、初体験の世界平均年齢にあたるらしい。17歳を迎えた咲良たちは、あることをきっかけに”自分の身体”や”性”について考えるようになる。なぜ高校生はセックスをしたらいけないの?人を好きになれない私は異常?正解がない問いかけに対して”一つの答え”を提示する今作の姿勢は、とても真摯に映りました。abemaというプラットフォームも、このセンシティブなテーマを扱うのに相応しい場所だった。高校生の自分がどうやって”そういう知識”を得たのか覚えてすらいないけど、もし高校生の頃に『17.3 about a sex』のようなドラマに出会えていたら、とても心強かったと思います。

 

  

programnews.abema.tv

 

第9位『ルパンの娘』(フジテレビ)

f:id:asunako_9:20201231144041j:plain

 

2019年版は惜しくも(?)ランクインを逃しましたが、2020年バージョンは堂々の9位に!前作を見ていた方は分かってくださると思いますが、「続編の方がおもしろい」という稀有なパターンになりました。前作のようなマンネリ化を防ぐべく、怒涛のテンポ感で展開されるストーリー構成は見事!メインテーマだと思っていた華の妊娠出産は2話で終わり、6年の月日も秒で流れていきましたが、主要キャラの老化問題にはきちんと言及する。そんな”ちゃっかり感”がドラマ版『ルパンの娘』の好きなところでもあります。円城寺のスピンオフをテレビドラマで見せてくれるところにも、視聴者への愛を感じました。映画化をきっかけに多くの人が見てくれたらいいな~と思います。

 

 

www.fujitv.co.jp

 

第8位『捨ててよ、安達さん』(テレビ東京)

f:id:asunako_9:20201231144703j:plain

 

なかなか”モノ”を捨てられない安達さんのもとへ舞い込んできた断捨離企画。安達さんが断捨離した”モノ”が擬人化した姿が夢に現れ、彼らを通して自分自身と向き合うことになります。コミカルなエピソードもあれば、安達さんのプライベートにかなり立ち入ったエピソードもあり。第4話の片桐はいりゲスト回からハマり、回を重ねるごとに夢中になりました。女優・安達祐実だからこそ、今の安達祐実だからこそ実現できたのだと思います。

 

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

 

第7位『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)

f:id:asunako_9:20201231145514j:plain

 

私がいつものようにテレビドラマを見ている間に、巷ではタイのBLドラマが流行っていたそうな。同じような感じ?と知人に聞いたら、「本丸が現れたと盛り上がっている」と言われました。どんだけ凄いのだ”チェリまほ”……!

 

「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」この都市伝説の通り、30歳を迎えた安達は触れた人の心が読めるようになってしまう。そして同僚・黒沢の恋心をも知ることに…!赤楚くんのモサっとした感じや町田啓太のシュッとした感じ……もの凄く……王道BLのそれっぽくないですか……?好きな女性を腐女子と呼ぶように、今も昔も“BL”はニッチなジャンルだと私は思っています。そのドラマ版『チェリまほ』が本来のターゲット層を超え、多くの人に愛された理由の一つに「安達の成長物語に重きを置いたから」ってのがあるんじゃないかなと。先述した「安達さん」同様、映像もめちゃくちゃ綺麗でした。ドラマ版オリジナルエピソードも見事で安達の優しさが仕事の成果となって表れた社内コンペも良かったし、優しさが溢れこぼれた最終回はただただ“尊い”の一言に尽きる…!

 

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

第6位『岸部露伴は動かない』(NHK)

f:id:asunako_9:20201231145139j:plain

www.nhk.jp

 

30日まで放送されていたドラマがここに来てランクイン!それほどにね、良かったんですよ。『HUNTER×HUNTER』どころか実は『ジョジョ』も読んだことないのです、私。それでも十分に楽しめた、というかすっっっごく面白い。高橋一生が持つ"イロモノ"感が絶妙にマッチしていて、気づけば作品が持つ独特の世界観にすんなり入っておりました。数々のドラマで癖ある女を演じてきた飯豊まりえも丁度いい賑やかし。NHKには金田一シリーズのようなシリーズ化を希望します……!

 

 

www.nhk.jp

 

第5位『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(日テレ)

f:id:asunako_9:20201231145644j:plain

 

2020年と切っても切り離せないのが「新型コロナ」。エンタメ業界も大打撃を受けることになってしまった一方で、コロナ禍を舞台にしたドラマも生まれました。「#リモラブ」という言葉も去年の私に聞くと、何の言葉か分からないんでしょうね。そう思うと不思議な気分です。

鐘木パルプコーポレーションに勤める産業医の美々は、外出が出来なくなった緊急事態宣言中にソシャゲを始める。そこで出会った“檸檬”と名乗る人が気になっていくコロナ禍の恋愛を描いたストーリー。ぶっちゃけ視聴者からすると作品内でコロナを描こうが描かまいが何方でも良く、制作サイドの良きように計らってくれ!と思うのですが、この未曾有の大事態を逆手に取り、コロナ禍を徹底的に描いた『#リモラブ』は、今の私たちに一番近いテレビドラマになりました。NHKを皮切りにコロナを題材にした単発ドラマは各局にあれど、連続ドラマは『#リモラブ』が初めて。その企画力の速さも凄いし、説明台詞が多くなるのを見越して回転寿司くんという名のストーリーテラーを思い切って置いたのも上手いんですよね。あの回転寿司くんの立ち位置も、最近のドラマで見ていたら二番煎じ感が出てしまいますが、それも見事に回避していました。価値観が大きく揺らいだ2020年だけど、大切なことはきっと何ひとつ変わっていない。そんなことを気づかせてくれた作品でした。

 

www.ntv.co.jp

 

第4位『アライブ~がん専門医のカルテ~』

f:id:asunako_9:20201231150035p:plain

 

2020年の1月期(冬ドラマ)は医療ドラマが6本くらいあって、過去ないくらいにジャンル渋滞を起こしていました。医療ドラマはもう見飽きたよ~と思う方にこそ見てほしい医療ドラマ。そもそも、なぜ医療ドラマは感動するのでしょうか?人の命を扱うから?奇跡が起こったり、起こらなかったりするから?そんな医療ドラマは多々あれど、私たちが胸を打つのって医療ドラマを通してその人の生き様を見ているからだと思います。死へ向かう通過点を見ているからではなくて。

今後どうなるか分からないけど、医療ドラマが飽和状態にあるこの時代に『アライブ』のように”その人の生き様・生きがい”を描いた医療ドラマが出てきてくれて本当に嬉しい。聞いたことのない難病ではなく、現代を生きる私たちを蝕む可能性が大いにある”癌”に着目したのも良かったです。名優・高畑淳子のベストアクトを是非体感してください!

 

 

 

www.fujitv.co.jp

 

第3位『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京)

f:id:asunako_9:20201231150625j:plain

 

医療ドラマが大渋滞を起こした2020年冬ドラマの中に差した一筋の光、ならぬ一筋のオヤジ……。数々のドラマで役を演じてきた古館寛治&滝藤賢一の全てが今作に詰まっているのではないかと思うくらいのハマりっぷり。「真面目な兄とちゃらんぽらんな弟がレンタル親父のバイトをする」という導入からキャッチーですが、クスっと笑えるエピソードもあればしみじみと考えさせられるエピソードもあったり。ここまで来るとランク付けするのが苦行になってきます、どれも大好きなので……

 

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

第2位『心の傷を癒すということ』(NHK)

f:id:asunako_9:20201231151229j:plain

 

それは、まだ心の病気が認知されていなかった阪神淡路大震災の頃。傷ついた人々の心に寄り添い生涯を遂げた精神科医安克昌の同名小説を実写化した作品になります。わずか4話の物語ながら、今も深く心に残っています。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を取った『スパイの妻』と同じく映画化されることになったので、こちらも映画化を機に多くの人の目に触れることを願っています!

 

 

www.nhk.or.jp

 

 

 

 

第1位『MIU404』(TBS)

f:id:asunako_9:20201231151454j:plain

 

今年のランク付けは例年にないくらい悩みました。そして悩み抜いた上の第1位は『MIU404』に……!先述した『コタキ兄弟』や『心の傷を癒すということ』などと比べても大きな差はなく、紹介した10作品すべて大好きなのですが、やっぱり『MIU404』が毎週起こすインパクトが凄まじかった……。こんなものをテレビで見せてくれるんだ……と毎週慄きました。特に菅田将暉演じる久住が今年1のインパクト!名優が更なる才能を開花させた瞬間に立ち会えたことを、この上なく幸せに思います。テレビドラマはリアルタイムで見るべきだと改めて強く思った作品でした!

 

 

www.tbs.co.jp

 

***

 

というわけで、今年もお付き合いくださりありがとうございました!去年より早くまとめ記事を書こうと毎年思うのですが、2020年のまとめは過去ないくらいにギリギリになりました。ここに来て今年初の風邪を引いてしまったからです。前座的なノリでまとめた「このドラマがおかしい!」の方がだいぶ余裕を持てたな……

 

 

今年はコロナに悩まされた一年でした。みんなが大変な中で、それでもエンタメの火を絶やさないでいてくれたドラマや映画に何度心を救われたことか。過酷な状況の中でもテレビドラマをつくってくださった全関係者の皆様に、心より感謝します。

 

2021年は穏やかな年になりますように。来年もどうぞよろしくお願いします。