あすなこ白書

日本のドラマっておもしろい!

『ボクらの時代』河合優実×見上愛×青木柚が良すぎる

『ボクらの時代』河合優実×見上愛×青木柚回が良すぎた。平成初期生まれ平成ど真ん中世代の自分がちょっとくらってしまうほど良かったので、一度見てほしい。TVerの無料配信が明日朝までなのでとにかくもかくにも見てほしい。

tver.jpドラマ漬けな私の日常において、唯一見る“ドラマじゃない番組”が3つある。『ねほりんぱほりん』『フジテレビ批評』、そして『ボクらの時代』。昔は『ザ・ノンフィクション』も欠かさず見てたんだけど、あれを他人事として眺められるメンタルを失い、誰かの感想を読むだけで満足するようになった。最近はドラマに追いつくのか必死で、毎週チェックは出来ていないものの、私のハードディスクには『フジテレビ批評』と『ボクらの時代』が欠かさず録画されている。

『ボクらの時代』はみなさんご存知、毎週日曜の朝早くに放送してるトーク番組だ。芸能人や著名人が3人集い、机を囲んでトークする。基本的にはもともとの知り合いだったり、作品で共演している人たちで構成されているが、なにかの番宣絡みの方が多いかな。話すテーマは特に決められていない。3人が30分間自由に話す、ただそれだけ。ちなみに私が好きな回は、メンズノンノモデル4人が集まった少々イレギュラーな回。

今回のゲストは、河合優実×見上愛×青木柚。同い年の若手実力派俳優組だ。河合優実は『ふてほど』の子というと、誰もが「ああ!」となるでしょう。夏から放送されるNHK『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の彼女もすごく良いので見てください。見上愛&青木柚もかなりの売れっ子で、別事務所なのにセットで売り出してるのかと思うくらいに共演作が多い。見上愛さんは今『Re:リベンジ』に出てるけどこれはぶっちゃけ見なくてもいい(私が代わりに見届けますので)ちなみに私は見上愛×青木柚神話の始まりであるドラマ『きれいのくに』が好きてす。

AIに「令和の若者」で画像生成させたらこの3人が出てくるんじゃないかと思うくらいのイマドキメンツ。あの空間、あの瞬間がまさに“ボクらの時代”そのものだった。

 

そんな3人はもともと親友で、なんと河合優実&見上愛に至っては、大学の同級生らしい。入学当初から圧倒的オーラを放つ河合優実をナンパした見上愛、香港の若者映画がすごすぎて一緒に項垂れてしまった河合優実&青木柚のエピソードが、あまりにドラマで、そのまま実写化できてしまいそうな話が彼らの日常にあることに震えた。視聴者からすれば何もかもを持ってそうな才能溢れる彼らが自分たちの仕事を「器用貧乏が活かせるねぇ」としみじみ話していたのも、実は演出科の出身で裏方志望だった見上愛ちゃんは役作りの際に“目的と障害”を全シーン分書かないと動き出せないと、かなりロジカルな役作りをしていたのが面白かった。売れっ子俳優が3人集まってもお芝居の話をしないと言ってたのは、まさに“そういう世代”なんだろう。


そんな中、私は終盤の青木柚の言葉にビビビときた。大袈裟ではなく、雷に打たれたような衝撃だった。「この流れで聞きたいことがあった」と見上愛が話を切り出したのである。

見上 「インタビューとかで青木さんとか河合さんとかってライバルなんですか?てめちゃきかれるの」

河合&青木「ええ?!!!!!!」

見上「ライバルっていますか?とか…」

(中略)

青木「でもこの二人に、がっかりされたくないなってのはあるよね」

見上「ある!そんな感じなんだって思われたくない」

見上愛が二人のことをライバル視していないことは、普段から彼らの芝居を見ていれば明らかだと思う。彼らが求められている芝居はそれぞれ違う。まだ23歳なのに、この3人は役者としてすでにその領域にいる。

おそらくそのインタビュアーも何の考えもなしにといったら失礼かもだけど、ただ話の盛り上がりを作るために聞いたくらいなんだろうが、青木柚の「この二人にがっかりされたくないなってのはあるよね」という言葉がなんだかすごく眩しかったのだ。

なぜこの言葉がこんなにも新鮮に、そして瑞々しく聞こえたのだろうと、今日一日考えていた。多分それは、私が“ライバル”という存在がすごく良いものだと教えられてきた世代だからなのだと思う。

自分が享受してきた物語の主人公のそばにはいつも“ライバル”がいた。北島マヤと姫川亜弓、早乙女らんまと響良牙、黒崎一護と石田雨竜、越前リョーマと跡部景吾、うずまきナルトとうちはサスケ、キラ・ヤマトとアスラン・ザラ……(物語の偏りがすごい)

『めざせポケモンマスター』でも「きのうの敵はきょうの友って古いコトバがあるけれど」というくらい、私たちの世代は“ライバル”が良いものだと教え込まれてきた。なぜライバルじゃないといけないのか?親友じゃいけないんですか?という声に答えるとするならば、ライバルは同等かそれ以上の力を持つ相手であり、切磋琢磨しながらお互いを高め合う存在なのである。いってしまえば、自分にメリットがある存在だからこそ“良い”のだ。

でも今回の三人には、最早その“ライバル”という概念すらないように見えた。ただ“あなた”と“私”がいて、大好きだからこそ“あなた”に嫌われたくない。がっかりされたくない、というすごくシンプルな話なのである。もちろんこれはライバルという概念を否定する話でもないし、彼ら三人が令和の若者すべてを代弁しているとは思わない。ただ、もう自分ファーストではなく“相手”を思う時代なんだろうなぁと、そんなことを感じてグッときた。私より遥かに若い世代の彼らは、すでにそのフェーズにいる。

もし自分が『ボクらの時代』のディレクターとかであの場にいたら、あまりの眩しさに泣いてしまうんじゃないかと思うくらい、すごく良い回だった。自分が生きてきた価値観にあるようで、抜け落ちてしまっていたものを教えられた気がする。やっぱり『ボクらの時代』は見なきゃいけないな。あの番組でしか得られないものがそこにはある。