あすなこ白書

日本のドラマっておもしろい!

やっぱり優柔不断な私が決める年間ドラマBEST10【2019】

こんにちは、明日菜子です。皆さん、ドラマ見てますか?今年もお疲れさまでした。

 

一年前の31日に年間記事を書いて「来年こそは余裕を持つぞ!」と心に決めたものの、気づけばまた31日でした。今年こそ間に合うかどうかわかりません。でも今年もやります。そして今回も私だけでは決められなかったので、今年もソートサイトを使ってロボットに決めてもらいました。

 

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ちなみに2018年版です。不朽の名作『アンナチュラル』を基準に決めましたが、年末一挙再放送を見て、もっと上でも良かったなと思ったり。この記事を見ると去年完走したドラマは54本、今年2019年は74本でした。大河と朝ドラを含めたら76本。たぶん去年の数え方が間違ってますね。今年は正真正銘、74本の中から選びます!

 

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第10位『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)

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原作:浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』

出演:金子大地、藤野涼子etc

脚本:三浦直之

 

LGBT」を扱ったドラマもそろそろ飽和状態だろう……と思った春先に彗星の如く現れたフレッシュな作品。『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』をドラマ化したら、『腐女子、うっかりゲイに告る。』になると誰が想像したでしょう。タイトルからセンスの良さが溢れ出しています。

主人公の純(金子大地)は自分がゲイだと自覚しつつも、将来は結婚して子供がいる“普通の家庭”に憧れる男子高校生。ある日、クラスメイトの三浦さん(藤野涼子)がBL本を買っている姿を目撃してしまい、「このことは絶対他の人に言わないで!」と釘を刺されるものの、本性を知られた三浦さんと共に行動をするように……。

 

“ゲイ”と“腐女子”。一見交じりそうで交じわらない二人が抱える悩みは共通して「擬態」。周りの人から見られる自分と、本当の自分とのギャップに悩んでいました。二人が年齢を重ねていけば、もっと楽に考えられることもあるかもしれない。決して簡単ではないセンシティブなテーマを丁寧に、かつ軽やかに描いていたのが印象的でした。『明日の約束』で目を引いた金子大地のミステリックな危うさが全開で、そこに対する“普通の女子高生”三浦涼子が最高!「自分は何なのか」と問うアオハルな二人をバックに流れるQUEENが最高にエモイ作品です。

 

 

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第9位『みかづき』(NHK)

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原作:森絵都みかづき

出演:高橋一生永作博美

脚本:水橋文美江(『スカーレット』、『母になる』etc)

 

家庭教師をしながら女手一つで娘を育てていた千明(永作博美)は、私塾を開いて子供たちに勉強を教えていた小学校の用務員・大島吾郎(高橋一生)に才能を感じ、共に学習塾を経営する。昭和から平成に渡り、学習塾業界に身を投じた夫婦の姿を描きます。

私は今作を見た時すでに「秋から始まるスカーレットは大丈夫だ」と謎の確信を持っていました。それくらい良かった。わずか5回という短い回数ながら、作品の良さがギュッと凝縮されていて、見た後はなんとも心地よい余韻が……。グイグイ攻めつつも、ふとした時に弱さが見える千明がなんとも愛おしかった。『カルテット』の高橋一生が好きな人は『みかづき』の高橋一生もストライクど真ん中でしょう。タイトル「みかづき」の意味を、じっくり感じてほしいです。

 

 

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第8位『わたし、定時で帰ります。』(TBS)

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原作:朱野帰子『わたし、定時で帰ります。』

出演:吉高由里子向井理etc

脚本:奥寺佐渡子(『夜行観覧車』、『Nのために』、『リバース』)

  清水友佳子(『リバース』、2020年朝ドラ『エール』)

 

「絶対定時帰宅」がモットーの東山結衣(吉高由里子)が働くWEB制作会社では、現代の日本が抱える労働問題が続出。パワハラ上司・福永(ユースケ・サンタマリア)を筆頭に、社員たちが抱える悩みを結衣が解決しつつも、誰一人として“モンスター”扱いしないのが新鮮でした。扱う問題はどれも重たくてウッとするようなリアルさを帯びているものの、ヒロイン・吉高由里子の持ち前のゆるさで緩和されていた。主人公が無敵状態ではなく学びがあるのも良くて、新時代のヒロイン像を見た気がします。あと何と言っても向井理が最高。向井理がいる職場ならば馬車馬の如く働いきたい(矛盾)。

 

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第7位『デザイナー渋井直人の休日』(テレビ東京)

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原作:渋谷直角『デザイナー渋井直人の休日』

出演:光石研岡山天音etc

脚本:ふじきみつ彦(『バイプレイヤーズ』)、松本佳奈

 

「まわりは僕をこだわりの人と呼ぶ。否定するつもりもなければ、肯定するつもりもない」

 

いつもこうして語り始めるのは、主人公・渋井直人。職業はデザイナー。仕事だけではなく料理やDJも嗜み、休日にはカフェやお洒落な書店に赴く。意識が高くてどことなくいけ好かないオジサンの話かと思えば、蓋を開けてみれば惚れっぽいおじさんが毎度毎度返り討ちに合う話でした。それのどこが面白いのかと聞かれれば未だによくわからないのだけど、松重豊が黙々とご飯を食べる姿と同じくらい、光石研が立て続けにフられていく姿も見ていたいと思ってしまう。『バイプレイヤーズ』でオジサンの魅力的な描き方を完璧にマスターしたふじきみつ彦が描くアイタタおじさん・光石研が最高です。テレ東のセンスも爆発していて、肩を落としながら夜道を歩く渋井直人の姿が、なぜか小洒落て見えてしまうのだから不思議。

 

 

放送当時、すごく面白くて沢山の人に見てほしいなぁと思い記事を書いたけれど「何が面白いのかはよくわからない」という着地点になっています。でも脚本のふじきさんが読んでくださって、とても嬉しかったです!

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第6位『グランメゾン東京』(TBS)

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出演:木村拓哉鈴木京香沢村一樹及川光博玉森裕太etc

脚本:黒岩勉(『モンテクリスト伯』、『メゾン・ド・ポリス』)

 

一度は全てを失ったフレンチ料理のシェフ・尾花夏樹(木村拓哉)が、味覚だけは抜群の料理人・早見倫子(鈴木京香)と共にビストロを開き、ミシュランの三ツ星を目指す。ドラマでは珍しく30日に最終回を迎え、今期一押しの作品ながら私も毎度固唾を飲んで見守りました……。

一言で例えるならば「レストラン版ONE PIECE」。離れた仲間を呼び戻して夢を目指す尾花はめちゃくちゃルフィ。これでもかと言わんばかりの王道激アツ展開は爽快そのもので、登場人物一人一人の造形も深く、全員がハマリ役でした。いつ何時も仕事熱心な木村拓哉の姿は最高にカッコよかった。私はクールベストで平古祥平役の玉森さんを助演男優賞に選びましたが、最後の最後まで京野役の沢村一樹さんと悩んだ。作品を彩る料理のカットも美しく、レストランドラマとしては100点満点。ただ、内容が詰まりすぎてて、最後は駆け足感が否めず。もう少し削っても良かったし、逆に深く掘り下げてほしいところもあったり。でもなぜか満ち足りた気持ちになりました。ありがとう、ありがとうグランメゾン……!

 

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第5位『だから私は推しました』(NHK)

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出演:桜井ユキ白石聖etc

脚本:森下佳子(『おんな城主 直虎』、『義母と娘のブルース』)

 

キラキラOLの愛(桜井ユキ)はふとしたことをキッカケに、地下アイドルの世界へどっぷりとハマっていく。発展途上のグループ「サニーサイドアップ」の中でも、愛が推そうと決めたのはグループの端っこで自信なさげに踊るハナ(白石聖)だった。人が誰かを推す理由は千差万別いろいろあれど、愛はグループに馴染めてなさそうなハナの姿に無理をしている自分自身を重ねてしまうのです。これは沼、この理由は間違いなく沼行き……。

NHKが誇るアイドルを作ろう」との意気込みでオーディションを実施して、選ばれた「サニーサイドアップ」のメンバーはガチ。期間限定なのは惜しいけれど、刹那的なものだからこそより輝かしかった。暗いトンネルを抜けた先にある光が差し込むような暖かいラストが印象的です。

 

 

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第4位『トクサツガガガ』(NHK)

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 原作:丹羽庭トクサツガガガ

出演:小芝風花倉科カナetc

脚本:田辺茂範(『表参道高校合唱部!』、『レンタルの恋』)

 

OLで特撮女子・中村叶(小芝風花)のヲタク生活と苦悩を描いた作品。特撮ヲタクをターゲットにしたニッチな内容かと思いきや、ヲタクの人もヲタクではない人も、全方向から楽しめます。実写化したのがNHKで良かったと原作未読の私が思うほどに、特撮へのこだわりが凄まじい!特撮パートは勿論、特撮ソングやグッズ、そして携わるスタッフまで特撮づくし。日曜のテレ朝で流しても違和感が無いクオリティの映像が、金曜の夜にNHKで流れていました。語彙力豊富なヲタクならではの名言も続出。「スーツは尻が命ですから」と断言する吉田さん(倉科カナ)の言葉が忘れられません。

 

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第3位『グッドワイフ』(TBS)

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原作:CBC Corporation制作『The Good Wife』

出演:常盤貴子唐沢寿明小泉孝太郎etc

脚本:篠﨑絵里子(『紙の月』、『まれ』)

 

夫・壮一郎(唐沢寿明)の逮捕をきっかけに、16年ぶりに弁護士として職場復帰をすることになった蓮見杏子(常盤貴子)。杏子がブランクありの弁護士として奮闘する様を描きながら、壮一郎の事件の真相に迫っていきます。人気海外ドラマの日本版リメイクときいて、誰もが「やめとけ……」と思っていただろうマイナスな前評判を一蹴!日曜劇場に相応しく、ドラマチックで、現代の日本の現状にも訴えかける爽快な作品になりました。

主人公の杏子を演じた常盤貴子も民放連続ドラマへの登板は久しぶりで、日曜劇場に関しては『ビューティフルライフ』以来19年ぶり。彼女の“ヒロイン力”(と私は呼んでいる)は健在で、杏子の台詞に何度も心を動かされました。他にも水原希子賀来千香子など、働く女性がとてもカッコいい!放送当時はあまり視聴率が芳しくなく、一人でも多くの人に見てほしくて、このご時世にアナログな相関図(手書き)付きの記事を書きました。これも一年クールでしてほしかった、セカンドシーズン待っています!

 

 

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第2位『きのう何食べた?』(テレビ東京)

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原作:よしながふみきのう何食べた?

出演:西島秀俊内野聖陽etc

脚本:安達奈緒子(『サギデカ』、『透明なゆりかご』)

 

弁護士のシロさん(西島秀俊)と美容師のケンジ(内野聖陽)、ゲイカップルの日常を描いた大人気漫画。原作そのものも素晴らしいですが、実写化されるべくして実写化された作品だと思います。このキャスト、このスタッフ、そしてテレ東で良かった……!

 

“ゲイカップルの日常”と聞くと一瞬マイノリティなイメージを抱く方もいるかもしれませんが、倹約家のシロさんが作るメニューは普段の食卓でも作れるものばかりだし、シロさんとケンジが抱えているものは家族や老後のことなど、誰にでもあてはまる問題です。嬉しい時も悲しい時も喧嘩をした時も、二人で一緒にご飯を食べる。「きのう何食べた?」というタイトルながら、「明日何食べようかな」と思わせてくれる明日への活力をくれる作品です。

 

現在も連載中の原作漫画・16巻から厳選したエピソードがどれも秀逸!ケンジを演じた内野聖陽さんが内野さん以外考えられない程のハマり役で、チャーミングで真っすぐなケンジの姿に後半はたくさん泣かされました。あまりの人気っぷりに、レシピ本や「何食べ展」なるリアルカフェ企画も実施、このお正月には宮沢りえさんをゲストにスペシャルで帰ってきます。アマゾンプライムなどでも見れるので、まだ見ていない方は原作と併せて是非見てください!

 

 

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第1位『G線上のあなたと私』(TBS)

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原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』

出演:波瑠、中川大志松下由樹etc

脚本:安達奈緒子

 

大人のバイオリン教室で出会った無職の也映子(波瑠)、大学生の理人(中川大志)、主婦の幸恵(松下由樹)。バイオリン三銃士が織りなす、恋あり友情あり涙ありの多重構造物語です。今作は“時間の無駄”という重い言葉が一つのキーワードで、也映子たちが通う「大人のバイオリン教室」はまさに“時間の無駄”の象徴。主人公・也映子と同世代のアラサーだけではなく、あらゆる世代の胸を打つ物語です。アラサーどんピシャの私は胸を打たれすぎて三度くらい死亡。『G線』を見るといろんな思いが溢れ出して、さまざまなところで書きました。

 

 

『G線上のあなたと私』感想まとめ

 

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というわけで2019年ベストドラマは『G線上のあなたと私』に決まりました!10作品どれも責任を持って推せる作品ばかりで、特にTOP5からは非の打ちどころがありません。ソートサイトで決めても優柔不断な私はグラグラしてて、わりと序盤からワケがわからなくなってしまったのですが、1位だけは心に決めていました。ちなみにTOP10に入れようか迷ったのは、『インハンド』(TBS)と『これは経費で落ちません!』(NHK)の2作。正直言うとあまり大差ありません。

しかしおもしろいくらいNHKとTBSに偏っている。2020年こそフジテレビ批評に出演しておススメドラマを語りたいのですが、なかなか雲行きが怪しいですね……!まず16作品くらいまで絞った中で、フジテレビ製作は『ルパンの娘』くらいだったでしょうか。今年も名作ぞろいで層が厚い一年になりました!

 

総合:『いだてん』(NHK)

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出演:中村勘三郎阿部サダヲetc

脚本:宮藤官九郎

 

3か月の連続ドラマと一年の大河ドラマを同じ土俵で比べるべきではないと常々思っているので、ランキングにはあげませんでしたが、『いだてん』抜きには語れない2019年になりました。大河ドラマは後から見返そうと思っても、そう簡単に見返せるものではありません。「いだてん見ればよかった……」と後悔をしてる方へ。もし再放送の機会があれば是非トライしてほしいし、『いだてん』に限らず面白いドラマはたっくさんあるので、今後ともチェックしていただきたいです。

 

 

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今年一番衝撃的だったことは「Twitterアカウントが凍結状態になったこと」といの一番にあげるくらい、Twitterづくし、ドラマづくしな2019年になりました。何か一つのことを続けてみようと、『なつぞら』の感想を全156話毎日更新して無事完走。あんな大変なことは二度としません。フォロワーさんと会ってご飯を食べに行ったりと、Twitter発信で新しい出会いもありました。これからも新しいことがたくさん待っているのかと思うと、3時間後に飛行機で飛び立つことなど忘れて無性にワクワクしてきますね。まだ準備は出来ていません。

 

2019年も本当にありがとうございました!来年も、いろんなところからドラマの良さを発信できたらと思います。2日ごろにはテレビの前にいる予定です。2020年が皆さんにとっても私にとっても素敵な一年になりますように、そして素敵なドラマに出会えますように!